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「旅手帖beppu」と別府観光のターゲットについて思うこと

 今日は、改めて、数字から見た現在の別府市についてご紹介します。
別府市は湧出量、源泉数とも全国一位。アメリカのイエローストーン国立公園に次ぐ温泉地と言われています。

人 口:約12万人
源泉数:全国1位(2,508 世界第2位)※国内総源泉数の約10分の1
湧出量:全国1位(毎分87,616L 世界第2位)※一日あたりの湧出量は日本人1人に対し約1L供給可能

 別府市の就業人口構成は下記の通りです。(2005年国勢調査による)

第一次産業:1.5%/第二次産業:15.3%/第三次産業:81.8%

 この数字から見ても別府市は観光地として入り込み客に向けたサービス産業が中心となっていて、現に毎年多くの観光客が来て滞在されています。

観光客入込み数(2009年度別府市観光動態による)
①観光客総数  11,999,003人  前年比 104.2%  480,643人増加
②日帰観光客数  8,346,658人  前年比 107.3%  567,038人増加
③宿泊観光客数  3,652,345人  前年比 97.7%  86,395人減少
④外国人観光客  162,122人  前年比 64.4%  89,562人減少

 平成17年4月から18年3月にかけて別府市旅館ホテル組合連合会が実施した宿泊者アンケートによると、別府市の宿泊者は男性が女性の1.5倍となっています。観光需要の全国平均値は女性客が6割を超えていることから、別府市は女性客の取り込みが遅れていると言えるでしょう。(調査対象:組合会員企業宿泊者/回収結果2072名/男性:1257名、女性815名)
 また、別府市の大半の旅館ホテルは団体観光客を中心とした誘致・サービス展開を行っていますが、JTB宿泊白書2008によると、観光客の72%が個人/グループ旅行客で、団体客は20%以下となっています。
 同じく、日本政策投資銀行が2010年9月に発行したレポート「現代アートと地域活性化〜クリエィティブシティ別府の可能性〜」での下記の記述にもあるように、現在の観光は、個人観光客にシフトしているが、別府市においてもマーケットとの適切なマッチングが必要となっています。


下記は、日本政策投資銀行のレポート「現代アートと地域活性化〜クリエィティブシティ別府の可能性〜」からの抜粋です。

全国的に社会・組織の変化や「個」を尊重する時流から、社員旅行等の団体旅行は減少している。かといって、国内の温泉観光地が一律に衰退しているわけではない。人々のライフスタイルが多様化し、温泉観光地にそれぞれが自分の嗜好にあった楽しみ方を求めるようになったのだといえる。
例えば、温泉観光地として全国的にも知名度の高い由布院は、社会の喧噪から離れた静かな田舎のゆったりとした時間と空間のなかでホスピタリティやリラクゼー ションを提供するといったコンセプトが、複雑化した社会や日常のストレスから開放され、「安らぎ」や「癒し」を満喫するという付加価値を求める温泉観光客のニーズにマッチした結果、温泉観光地ランキングで上位常連になるほどの人気を得ている。
その一方、別府は、温泉観光地として由布院に匹敵、あるいはそれを上回る知名度がありながら宿泊観光客の低迷が続いている。その要因としては、団体宿泊客を中心とした旧来型の温泉観光に対応した産業構造のため、増加している個人観光客のニーズや嗜好を十分にカバーできていない可能性があることや、別府観光に対する団体旅行のイメージが観光客側にも強いことなどが挙げられる。
日本政策投資銀行「現代アートと地域活性化〜クリエィティブシティ別府の可能性〜」


この様な状況下、この町においても現状とマッチするニーズやターゲットを改めて考えていく必要があります。


下記は、「別府市中心市街地活性化基本計画」からの抜粋です。

●別府市中心市街地の観光の課題
別府市は観光立市であり、経済はもちろん市全体の活力の源である。特に別府駅を中心とした中心市街地には多くの宿泊施設も立地しており、観光の拠点ともいえる。この中心市街地における観光の活性化を図ることが市域全体への活性化につながるものといえる。アンケート等により浮き彫りにされた観光客の不満部分の解消と満足部分のさらなる向上を課題と捉え、以下に整理する。
・女性層、若年層をターゲットとした観光戦略
比率の低い女性層、若年層の観光客確保が活性化の鍵ともいえる。「癒し、健康」等の女性層、若年層のニーズを的確に把握した戦略を図る必要がある。
・歴史や文化、イベント等を通じた観光客とのふれあい促進
観光客は観光ポイントを訪れるだけでなく、別府の歴史や文化、地域住民とのふれあいを求めている。歴史や文化にふれあえる場の提供を図り、観光客も参加できるイベントを効果的に実施する必要がある。
・宿泊施設、飲食店等の質・サービスの向上
食べてみたい料理、受けてみたいサービス、持って帰りたいお土産。観光客に満足してもらえる質・サービスの向上を中心市街地が一体となって取り組む必要がある。そしてその取組みにより消費額の増、長期滞在へとつなげる必要がある。
別府市「別府市中心市街地活性化基本計画」


 以上を踏まえて、フリーマガジン「旅手帖beppu」を発行しています。
「旅手帖beppu」のメインのターゲットは女性、それも20〜35歳の女性をコアターゲットにしています。
 この層の女性の視点から、丁寧に情報をお伝えして、別府のことを好きになってもらいたいと願って、編集スタッフが連日遅くまで取材・編集を続けています。
 現状のスキームでは、今年度のみの発行となりますが、少しカタチを変え、続けて行きたい。
町で行われるイベントと、地域のいいとこや人を紹介するメディアにしていきたい。フリーマガジンがよいのか、Web展開か、アプリ化か・・・、急いで考え決めないといけないのですが、まずは、来年の「混浴温泉世界 2012」特集号として、多分来年7月末には第5号の発行を行うことになると思います。

 「旅手帖beppu」で行いたいこと、これは「新しい旅の提案」であり、「生き方の提案」です。
 カタログをめくるように旅したり生きていくのではなく、生活するように旅し、旅先で出会う大切な思い出を集めるように日常を生きること。

 全く初心者ばかりを集めた編集チームは随分と頼もしくなりました。
次号の「旅手帖beppu」は、12月末発行。

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現在入稿前作業中!

 テーマは物語です。歴史や個人の記憶をたどり、物語に変わっていくように構成しています。意欲作でどのように評価されるか少々怖いのですが、、、背伸びしすぎることなく等身大で物語を綴ってもらいました。配布先はほとんど県外ですが、別府市のplatform04でも配付しています。
 別府に来られる方々、一人ひとりの中に新たな物語が生まれてくるといいなぁと思っています。

山出淳也

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