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ベップユケムリ大学アート学部「お正月の紅型・吉祥文様を染めよう」のご報告
まだまだ寒い日が続きますが、皆さまいかがお過ごしですか?
1月26日(日)に石田麗さんによる【SELECT BEPPU×ちとせ染工房】「お正月の紅型(びんがた)・吉祥文様を染めよう」を開催しました。
会場には石田さんの作品をたくさん飾りつけました。
「びんがた(紅型)」とは、沖縄に古くから伝わる染色技法です。その起源は13世紀とも言われています。琉球王朝時代、日本や中国、インドネシア等の国々と交流するなかで、あの独特な色づかいと季節にとらわれない自由な柄の表現が一つになり生き生きとした明るく美しい染めが生まれました。
このびんがたを途絶えさせてはならないと、太平洋戦争後廃墟の地となった沖縄で懸命の努力をして復興させ、新たな時代のびんがたの基を築いたのが紅型宗家城間家14代目城間栄喜でした。講師の石田麗さんは、この城間家の15代目である城間栄順先生からびんがたを学ばれました。現在は豊後大野市千歳町に「石田麗ちとせ染工房」を開設し、作品の制作・一般の方に向けたワークショップを開かれています。
一般的に「びんがた」と言うと首里城の王様の衣装や琉球舞踊の踊り衣装のような黄色地に朱を大胆にあしらったカラフルな染め物という印象ですが、そこには明るい色を引き立たせるための落ち着いた色との絶妙なバランスがあります。
びんがたでは顔料や岩絵具と呼ばれる鉱石や半貴石、貝殻等を細かく砕いたものを色の材料として使います。沖縄の強い陽射しに負けない鮮やかで美しい色を出すためです。
紅型染めの工程は全部で9段階。まずはスケッチした図案を元に、島豆腐を固めた「ルクジュウ」の上で型紙を彫ります。写真は、型紙のつりを取るために行う「紗張り」という工程。びんがたにまつわるお話を聞きながら先生の実演に注目。
こうしてできた型紙を、染める生地に乗せて上から糊を置き、色の定着を良くするためにさらに大豆の搾り汁を重ねます。乾燥させ、やっと色を入れる段階にたどり着きます。これまでの各段階の前には必ず乾燥が入るので、長い時間と手間が必要です。美しい染め物の背景には、職人さんの根気と作品を産み出す強い思いがあります。
今回は顔料を使って、この後の工程「色差し」と「隈取り」を体験。本格的な紅型にチャレンジです!35㎝×35㎝の絹(着物地)に、紅型の古典柄である「松竹梅に鶴亀」の文様を染めました。
筆を使って塗り絵のように顔料を置いていきます。
青く見える部分は糊。糊の上に乗った顔料は、水に浸す仕上げの段階で糊と一緒に落ちます。なので、はみだしてもだいじょうぶ。
大人も子どもも、夢中で思い思いに色を刺していきます。誰も似てない、その人の色使いが見えるのが、不思議で面白いところ。
にじまないように、色を重ねます。最初はちょっとむずかしく、そっとそっと。
色刺しが済み、乾燥させたらお次は「隈取り」。濃い色の顔料を使い、部分的にぼかしを加えます。
この工程は絵柄がより立体的になってくる、紅型特有の技法です。歌舞伎のお化粧法「隈取」と同じ効果です。
塗り筆で顔料を少量置き、こすり筆でくるくる広げてぼかします。
完成~☆ワークショップの作業はここまで。この後、石田さんの工房にて熱を加え色を定着させる「蒸し」、糊を洗い落とす「水元」の工程に入ります。
後日、参加された方々の元へ作品が届きました。皆さん、どんな風に仕上がるのだろうとワクワクされていました。くっきり、色鮮やか!美しい~!
パワフルで色鮮やかな顔料、筆を使っての染め体験、沖縄の地で産まれた技法に触れ、素敵な時間を過ごしていただけました。
ご参加いただいた皆さま、講師の石田麗さん、お手伝いしていただいた石田さんのご家族の皆さま、ありがとうございました。
日時:1月26日(日)13:00~15:00
会場:platform01(別府市元町8-3 別府銀座商店街内)
料金:3,000円
参加者:13名
講師:石田麗(ちとせ染工房>>http://chitose-koubou.com)
沖縄県立芸術大学にて染めを学び、沖縄県那覇市の城間びんがた工房にて城間栄順氏に師事。9年間勤務。主な受賞歴に2008年大分県美展入選、2012年全国伝統的工芸品公募展入選等。2012年豊後大野市千歳町に「石田麗ちとせ染工房」を開設。
文・SELECT BEPPU 阿部
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